●優遇施策の廃止があったとしても進出の勢いは続く
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~今後の日系企業の中国進出の動きについて |
???中国進出にあたっては、開発区に進出するケースが多くなります。各開発区には、「2免3減」はじめ多くの企業誘致のための優遇政策がありますが、それが今後、なくなるのではとの心配の声もあります。方向性としては廃止に向かうと聞きますが、政府関係者にこのことを質問すると多くの答えは「当分は廃止しない、維持する」と言うものです。一方で、「外資にだけ特権を与えるのはおかしいとの地元企業の声も強い」と言われ、今後はどうなるのか、今のところはっきりしていません。とは言え、優遇政策の有無が日系企業の進出に足踏みをかけるとは思えません。多少の躊躇はあるでしょうが、中国のWTO加盟による緩和策が、優遇政策の撤廃を相殺することになると思われます。しかし、既に開発区間の誘致合戦は加熱しており、個別に独自のインセンティブを出してきています。中には条例を無視し、勝手な取り決めを行うケースがあり、のちに発覚して進出企業に多大な損害をもたらすこともあります。日系企業はその点の見極めも必要になります。 |
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●西部地域はまだまだ遠い存在
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~中国西部地域への進出について |
???2002年11月の大16回党大会でも西部大開発に力を入れると唱われました。意図は明確で、沿海部と内陸部の所得格差是正ですが、西部大開発の促進には外資の導入に期待が集まり、インフラ整備の多くはこれによるものです。単に賃金の安さだけで西部を目指すのは疑問符がつきます。地域によってはかなり保守的で、意識改革が満足に出来ていないところもあると聞きます。戦前から外資が進出していた上海には、外国とのビジネスには抵抗感が少ないと言えます。上海は中国の中で最も先進意識に富んでいる地域です。しかし同じ意識を内陸に求めてもそれは無理というものです。また、大企業ならともかく人材や知識が不足し、なおかつ中国の市場についての知識も不足しがちであり、しかも市場戦略も立てにくい中小企業が、一足飛びに西部を目指すのは、現実的ではありません。中小企業がそれを取り込み、経営に結びつけられるその可能性は決して高いとは言えないし、2000年に「西部大開発」の大号令が掲げられてのちも、日系企業が進出したという案件は少ないというのが現状です。政策、法整備、それを支えるインフラ、そして将来の展望について、まだまだ未知数の西部地域にはしっかりした青図が描きにくいのが現状です。日系企業にとって、西部地域はまだまだ遠い存在でしょう。 |
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●中国を市場として捉えた場合の優位性は非常に大きい
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~華東地域の優位性について |
???生産基地としては、各国メーカーの集積地であるので、部品調達などの優位性が非常に大きくインフラも整備されています。中国を市場として捉えた場合の優位性は更に大きいと言えます。現在、華東地域には、欧米、アジアの主要国の多くの企業が拠点を持っており、華東地域に進出していれば、中国にいながらにしてそれらの国々の情報や商品、部品の入手が可能となり、連携なども組みやすい環境です。グローバルに考えた場合、日系企業のみでの中国展開は難しい時代になってくると思うので、積極的に地の利を生かして欧米、アジア主要国の企業を利用していくべきでしょう。 |
???また、華東地域の中でも上海は特に、情報収集力が優れた都市です。放射線状に有益なシグナルを送ることも出来るし、各地域からの情報の集積地でもあります。労働者人材のみならず、管理職の優秀な人材が豊富であることも魅力的です。 |
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~ありがとうございました。 |
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F A X:03-3263-8910通商産業省をはじめとする政府関係諸機関、地方自治体?経済団体?会員企業等関係者の中国訪問や中国側政府機関、地方政府関係者等の日本訪問に対し、関係経済情報の提供と便宜供与を行っている。
主な業務
?経済交流事業の促進
?経済情報の収集と普及
?日系企業長期滞在者等への支援
?その他 |
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