長崎県貿易協会上海代表処
中国人に真珠の良さを分かってもらいたい

2002年12月123号

中国人に真珠の良さを分かってもらいたい

上海田﨑真珠有限公司

濵﨑 由美(はまさき ゆみ)氏

上海田﨑真珠有限公司にて 上海田﨑真珠有限公司にて

プロフィール
濵﨑 由美 1963年 長崎市生まれ
長崎市立土井首中学校
長崎県立長崎南高等学校
長崎大学経済学部卒業
大学卒業後、ノエビア等を経て
1994年?JICA(国際協力事業団)の開発青年日本語教師としてブラジルで3年間を過ごす
1997年?田﨑真珠入社
1998年 大連赴任
2001年 上海赴任
現在に至る。
趣味:ゴルフ
●スチュワーデスを目指していたのですが。
~ブラジルでの経験にについてお教え下さい。
???もともと私の希望はスチュワーデスになることでした。普通の女の子が一度は憧れるという職業なんですが、ご多分に漏れず私の場合もそうだったんですよ(笑)。ところが、身長とかいろいろクリアーしなければならない条件がありまして、断念せざるを得ませんでした。普通に大学を卒業し、就職した訳ですが、一度しかない人生なんで思い切ってJICA(国際協力事業団)の開発青年に応募したという訳なんです。
???日本語教師として94年から97年までの3年間ブラジル?サンパウロで過ごした訳ですが、駐在員住宅ではなく、庶民が住むアパートに住むなど全くの土着化した生活を体験しました。ただ女性の一人暮らしだったので、常に神経を尖らせていましたね。土着化=危険との隣り合わせということでピストル発砲事件など日常茶飯事。私の友人は盗難に遭って、何から何まで盗まれてしまいました。世界一治安の良い日本から来たものですから、そのギャップには驚きましたね。
???それと金融が不安定でしたのでインフレの凄さを実感しました。例えば昼食を取るときなんか、食事前と後では値段が異なるんですよ。信じられますか。また、精算なんかも大雑把というか、お釣りの端数はその日の気分次第なんですよ。時には端数の代わりに飴玉をもらったりなんかして(笑)。いかに日本の常識が世界では通用しないかというのを感じましたね。
●価値観の違いに驚きました!
~中国赴任のきっかけについて教えてください。
???実は田﨑真珠の社長が大学の先輩なんです。そんな訳で、ブラジルから帰国して社長のところに挨拶に行ったんですけど、そこで「うちで働かないか」と誘いを受けたんです。スカウトされたと言いたいところですが、プー太郎の後輩を可哀想に思ったんでしょうね。
???まずは8ヶ月間国際部という部署を経て、98年4月田﨑真珠大連店の副店長として派遣されました。右も左も1、2、3(イー、アール、サン)も分からない状態での赴任でしたが、ブラジルの経験がありましたのでそんなに驚きはなかったですね。
???ところが生活してみると大変でした。最初はホテル住まいだったのですが、蛇口をひねると茶色い水が出てきたりして。また、食欲もわかず、僅か1ヶ月で8㎏も痩せてしまいました。赴任2ヶ月後に妹の結婚式で長崎に戻ったんですが、親戚一同びっくりしてました。
???もう一つ真珠に対する捉え方は全く違っていました。真珠というよりも、日本人がやっている店だからとかで店にやってくる。価値観が違うんですね。それと真珠のネックレスを付けたままお風呂に入ったりして、使用方法が全く分かっていないんですよ。
●ストレス解消のため、よくお酒を飲みに行ってました!
~現地スタッフの教育も大変だったのではないですか

現地スタッフの教育 現地スタッフの教育

私が赴任した当時は、田﨑真珠のベテラン先輩が店長としていましたので主に私は裏方の仕事を中心に担当していました。日本人2名に対し中国人6名体制だったのですが、ベテラン先輩が転勤になり、また中国人も増え1:10という体制になったんです。ボイコットなどされたらたまったもんじゃありませんので常に緊張してましたね。私の場合、もちろん口ではきつく指導しました。ただそれだけでは誰も付いて来ませんので、常に実践して見せてましたね。例えば、店内での立ち方ですが、彼らの立ち方を真似て見せるんです。「どう、お客様の立場になった場合どう感じる?」と聞き返すんです。簡単ではありませんが、信念をもって接すれば通じるものなんですよ。

?ただ、やはり外国人が相手なのでストレスは溜まりましたね。私お酒を飲むのが好きなので、よく日本人同志で飲みに行ってストレスを発散していました。大連は狭い街なので、実はどこに行っても知り合いばかりなんですよ(笑)。
●現場の経験を生かして頑張っています
~上海での仕事、生活は如何ですか。
???4年間勤務した大連店は無事現地化することとなり、2002年の5月より上海への異動となりました。こちらでは一転して商品開発、企画、管理の担当をしています。もちろん、4年間現場で培った経験を生かし頑張っているところなんですが、仕事内容からして言葉での指導が多くなっているというのが現状です。中国語をレベルアップさせなければと思っている今日この頃です。
???生活はというと、上海田﨑は南匯区にあるものですから、毎朝6:30に家を出発して、夕方6:00に帰宅するという生活パターンです。また、大連と比べても非常に大きいという印象がありますので、なかなか慣れないというのが正直なところです。おまけに今住んでいるのが浦東地区ので、美味しいレストランがどこにあるかあまり知りません。ただ、日本の商品が豊富ですので、そういう意味では便利かなと思います。慣れないせいもあるんでしょうが、不便と便利が同居しているってとこですね。
●販売本部が移転します
~今後の展開を教えてください。
???実は2003年1月より、浦東新区に販売本部が移転する予定になっています。本社から常務が赴任予定で上海地区担当者、そして私の3名に加え現地スタッフ3名の6名体制でスタートします。実は家からかなり近くなりますし、これでやっと帰りの時間を気にせずに仕事に専念出来ます。
???今後は、大連での経験、南匯区での経験を如何にして活かすかが鍵となると考えています。そのためには、中国語をもっと勉強しなければなりませんし、同時に上海人の考え方も理解しなければなりません。北方と南方では同じ中国人でも、考え方が違いますからね。
●中国人の図太さを見習います

~メッセージをどうぞ。
???日本の場合通信体制もしっかりしていますので、待ち合わせの約束等でも明確な時間設定をするできます。ところが、全ての国がそうとは限りません。私が滞在したブラジルなんか、通信体制もまだまだですので、約束に間に合いそうもないので携帯で連絡しようと思っても混線して繋がらないケースが多々あります。テレビなんかも、「次の番組は○○です。」のみで何時からというインフォメーションはありません。中国も今高度成長の真っ盛りで、ブラジルと比較する訳にはいきませんが、少なくとも日本よりは劣っていると思います。そんな中でも、焦らず図太く生きている中国人を見習わなければならないと思っています。日本に居ると分かりませんが、日本の常識が決して世界の常識ではないということを理解する必要があるのではないでしょうか。
???また、私個人としては、我が社の商品でもあります「真珠」の良さを中国人に理解してもらうよう努力していきたいと考えています。それには、私自身成長しなければなりません。ただ当然日々の生活のなかでストレスも溜まるでしょう。そんな時は大好きなお酒(特に日本酒)を飲みながら、焦らず図太く頑張っていきたいと思っています。
~ありがとうございました。

上海田﨑真珠有限公司
住 所:上海市南匯区三?鎮東首老刮嘴
電 話:021-5823-1010
FAX:021-5823-1212

上海田﨑真珠有限公司正門前にて 上海田﨑真珠有限公司正門前にて

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