《串づくし「串乃屋」にて》
小杉 勇治 |
1975年 佐世保市出身 26歳 |
1998年 大学卒業後、曙産業株式会社入社 |
1998年 7月上海の日本料理「曙」配属 |
1999年 串づくし「串乃屋」に店名、業態変更。現在に至る |
趣味:ラグビー 現在、「双龍クラブ」に所属。 |
??????小学校時代にとても尊敬できる先生に出会ったことで、教師を志しました。大学も教育学部を選び、教職の資格も取得し、いざ教師になろうというときにふと考えたんです。このまま自分は教師になっていいのだろうか?と。教育者になるには人間的厚みがなければなりません。それには何事にもチャレンジして、経験を積むことが必要だと考えました。そこで、就職して修行を積もうと思い、上海に日本料理店を持つ曙産業に入社しました。そして、希望通り上海に来ることができました。 |
|
??????上海に来て感じたことは、海外での1年は日本での3年に匹敵するということでした。とにかく、言葉を初め、文化の違いなど海外で暮らすことがこれほど勉強になるとは思いませんでした。そしてなにより、「串乃屋」での営業活動が様々な経験を私に与えてくれています。本当に来て良かったと思っている今日この頃です。 |
|
??????将来的には、この上海での経験を生かして、小学校時代の恩師のような教師になりたいと考えています。 |
|
??????現在、「串乃屋」では店長として働いています。立場上、売上げ、従業員教育など様々なことに気を配らなければならいので大変です。なかでも、従業員教育には頭を痛めています。先月号で「八重洲」の松尾さんも言っていましたが、中国人という文化?環境の違う人たちに日本的なサービスを教えるのにはとても苦労がいるんです。ですから、文化、民族などについては本を読んだり、日本料理店の経営者などと意見交換をしたりして勉強するように努めています。 |
|
??????3年前の上海に来たての頃は、うまくいかなくて悩んだこともありましたが、最近では妥協しなければならない部分も分かってきましたし、彼らのコントロールの仕方も分かってきました。一番効果的だったのは、お客様が「串乃屋」で食事をしてお金を支払い、それが従業員の給料になる。お客様のお金=従業員の給料という図式を分かりやすく説明してあげたことです。当たり前のことじゃないか、とお思いの方もいるかも知れませんが、3年前はまだ共産的な考え方が根本にあり、基本的なサービス業に対する考え方が確立されていなかったため、こういった説明が必要だったんです。 |
|
? ? ??日本料理の基礎になる味付けは、なんといっても調味料です。その調味料が上海では、どうしても手に入らないのです。例えば、薄口醤油。こちらで手に入る薄口は、色は濃い口、味は薄口なので、煮物をするときに醤油の色が野菜についてしまい、野菜自身の色を引き出せません。日本料理は、目で味わう部分が大きいので、そのあたりをこだわるためには、どうしても日本から手荷物で運んでこなければなりません。ですから、上海に旅行で来る知り合いや仲のいい上海駐在のお客様などに無理を言って持ちこんでもらうことも多いですね。これは「串乃屋」に限らず、多くの日本料理店が抱えている問題点だと思います。
??????「串乃屋」のお客様構成比は、日本人8対中国人2なんですが、中国人のお客様のお金持ちぶりがとても目立ちますね。上海の上流階級、香港系、台湾系と様々です。ベンツで店先まで乗り付けて、一番高いメニューを必ず頼みます。気っぷがいいのか経費で落としているからなのか分かりませんが(笑)。だいたい皆さん領収書を切っていかれますね(笑)。 |
《お得なランチ?88元!》 |
|
??????また、串揚げという中国ではなじみの薄い料理を出していますので、食べ方が分からない中国のお客様も多いですね。かもねぎやみそ田楽にタルタルソースをつけたり。まあ、何を付けても美味しいんですけどね(笑)。 |
? ? ??上海が次第に住みやすくなっていることは事実ですが、外国ですので少なからずのストレスは感じています。ですから、高校時代から続けているラグビーのぶつかり合いでストレスを解消しています。毎週土曜日、「双龍クラブ」というチームで練習しています。「双龍クラブ」の所属するリーグは在上海の大学、欧米人の混合チームの4チームで構成されています。戦績については、「健闘中です」とだけ答えておきましょう(笑)。
?????「串乃屋」に関しては、素材を生かしたものをより多く、お客様に提供していくことに努めていきます。季節感のある食材を生かして串にしていく。そういった季節を感じてもらえる店づくりをしていこうと思っています。そして、時期はまだ未定ですが「串乃屋」浦東店のオープンを予定しています。 |
|
??????また、姉妹店「炙屋(あぶりや)」が10月24日にオープンいたしました。「炙屋」は焼き物専門店です。「串乃屋」とはまた違った味を楽しんでもらえればと思っています。是非一度いらしてください。 |
|
? ? ??上海の喧噪に疲れたとき、日本を思い出したときには、是非「串乃屋」にお越し下さい。そして、日本を感じてください。日本的なサービス、雰囲気でおもてなしいたします。また、「『中国経済ニュース』を見た」と言っていただければ、年内に限り、料理を1割引いたします。その時は必ず「小杉」までお申し付け下さい。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
《串づくし「串乃屋」前にて》
炭火焼懐石「炙屋」 |
10月24日オープン |
住 所:上海市東平路18号 |
TEL:6437-6867 |