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●今年7月、上海事務所を開設しました。 |
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?? ??我が社は、佐世保市に本社があり、家庭用の健康治療機器の開発?製造?販売を行なっています。低周波?電位?マイナスイオンなどを使った日本の健康治療機器を中国の方々に紹介する目的から、事務所を開設した次第です。 |
?? また、中国市場の大きさは魅力です。特に沿海地区は豊かになっており、消費者も自分の健康に気を使うようになっています。潜在的な市場性が感じられます。 |
??ちなみに、私どもが取り扱っている商品は東洋医学がベースとなったものですが、その原点である中国で仕事ができるのは、やりがいがあります。 |
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??個人的な話になりますが、私は、以前は上海市内の不動産会社で日本人向け賃貸物件の紹介?斡旋を手掛けていたのですが、今年の4月、弊社に転職しました。お客さまが、 日本人から中国人へ逆転した訳です。開設までの手続きは、本社と上海を往復しながらも大きな問題もなく進んだのですが、当初は“時間の概念”について戸惑いを感じました。? |
??と申しますのは、中国では約束時間を破られることが多いのです。 |
例えば、業者と「朝9時に会う」約束をしたとしましょう。ところが約束時間を過ぎても姿を現さず、待てど暮らせどなんの連絡もない。ようやく夕方の5時頃になって、 |
??「今日の約束はキャンセルします」と電話が入ることがあります。 |
??もっとも今では慣れたせいか、笑えるようになりましたが。 |
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●3日間通いつめて顔を売り込みました。 |
~中国と日本のビジネスの違いについて感じられていることをお聞かせください。
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??まず、中国の企業は“コスト管理の概念”が希薄です。 |
??例えば、見積書を発注したとします。日本の場合、原材料費?運送費などの内訳があり、それを基にコスト削減の交渉に入ります。ところが中国では、「ハイ、1個=○○円です」だけで内訳がわからない。極めてあいまいです。場合によっては、原材料そのものや、 型番号までわからないこともあります。教えようとしないのか、作っている本人自身が 知らないのかわかりませんが...。 |
??“環境整備の概念”もまだまだです。 工場を訪問した際に、日本では大切に扱われている金型が屋外に放置されたままになっていたのを目にしたこともあります。 |
??次に、“口頭ベースでの応対が多い”ということが挙げられると思います。 |
??中国の組織や企業では、担当者段階では口頭で説明を受けるだけで、その法的根拠や 裏付けを得ることは困難です。情報は主任クラスの人が管理していることが多いのですが、彼らと親しくなって初めて情報を得ることができると同時に、事務手続きもスムーズに 進むようになります。 |
??このためには、“自分の顔を売り込む?おぼえてもらう”ことが必要です。 |
??私自身、ある書類をもらうために3日連続通いつめたことがあります。その時は、初めは事務員の方と親しくなり、その方の紹介で主任にお会いしてできたのですが、粘り強く“顔を売り込む”ことが大切だと痛切に感じました。 |
??良い面もあります。それは“対応が早い”ことです。 |
??特に地方へ行くと、郷鎮企業【注】のトップとの付き合いとなりますが、何かあった 場合には、即断?即決での対応が期待できます。一般の企業も対応が早いように感じられます。 |
??【注】“郷?鎮”は日本の“市?町村”に相当。農村部の中小企業であり余剰労働力の吸収先となっている。 |
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●裏付けを取ることが大事です。 |
~中国とのビジネスを考えておられる方にアドバイスをお願いします。
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??先ほど述べましたように、“裏付けをとる”ことは必要です。 |
??頭での説明と実際の手続きとが全く異なっていた、という事例も耳にします。しかし、予めペーパーベースで裏付けとなる資料を揃えて入手しておけば、リスクは回避できますし、反論する際の武器ともなります。 |
??情報を入手する場合、例えば、法律?税務関係ならば、大まかな部分はホームページ でも入手可能ですが、各省?市レベルでの規定となると困難になります。実務担当者が 最も欲しいそのような個別の規定などは、上海市内の最も大きな書店にすら置いていないのです。 |
??やはり、担当者や権限者と親しくなって教えを受けるのが一番です。 |
??「日本人は商談でお金を湯水のように使う」ように言われていますが、そのようなことはしません。 |
??相手の前に長く座り込んで自分の顔を売り込んでいます。(笑) |
??開設して日が浅いので、今後は人脈をつくるとともに、我が社の商品を通じて家庭用の健康治療機器について関心をもっていただくことに力を入れていきます。 |
??私たちのビジネスを通じて、中国と日本の相互理解が深まることを期待しています。 |
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《左より当社営業部張氏、建部氏、阿比留社長》
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