長崎港経由での軍手?軍足の生産を行っています。 |
~中国での業務内容?活動内容についてお聞かせください。
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????私どもの業界は、零細業者が多くて労働集約型の業種です。同業者が高齢化や賃金アップなどの将来へ対する不安で廃業していく中、言わば必要に迫られる形で中国進出を決断し、94年、江蘇省江陰で軍手の生産を開始しました。 |
????その後1年ほどで現在地(上海市宝山区)へ移転、一昨年からは軍足の生産も行っています。比率としては、軍手:軍足=16.5:1 とまだ軍足の生産割合は低いのですが、最終的は、1:1にすることを目標としています。 |
????当地では、委託加工を行っています。したがって、100%本社(筒井手袋(株))を通した日本向けの輸出となります。 |
????うち2~3割は長崎向けです。ひょっとすると、県民の皆さまも、ここで生産した軍手をお使いいただいているかもしれません。(笑)残りは東京?新潟?富山といった日本各地向けとなります。 |
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本邦製品に対して遜色ない水準を目指しています。 |
~設立されてからの苦労話などをお聞かせください。
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現在の工場?生産ライン
まず、品質管理に関わることですが、この問題は中国へ進出された企業の方々が多かれ少なかれ頭を抱える問題だと思います。我が社でも、製品に貼り付けたバーコードが日本で読み取れず、全て貼り替えたことがありました。しかし、今ではそれも笑い話になるほど、本邦製品に対して遜色のない水準に達したのではないかと自負しています。
従業員の団結心が強いこともあって、問題が発生しても、みんなでどうにかして解決しようとします。と言う訳で、本邦製品との違いを強いて挙げるならば、袋やシールなどの品質の違い程度ではないかと思う次第です。
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苦労と言えば、むしろ、94年に江蘇省江陰で生産を開始した頃が一番大変だったと思います。「必要な原材料が無い」、「内陸性気候のため、夏は暑く冬は寒い」、「インフラが整備されていないため、停電が多い」、「勝手が分からないため、深夜までの残業」などの厳しい条件が多かったからです。その御苦労もあって、筒井 壽雄社長は、江陰から上海へ戻られるなりホテルの部屋で倒れられて、医者の治療を受けたこともありました。 |
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一致団結した雰囲気作りが大切です。 |
~従業員数も多くてまとめるのに御苦労が多いかと思うのですが。
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新年会の様子?中央?筒井社長
? 幹部10名は上海出身ですが、従業員は四川省など地方出身者がほとんどです。幸いなことに、我が社では問題が発生したことはありません。従業員の定着率も良好ですし、求人の際の応募者も多いのが現状です。
一つの例として、「忘年会」や「新年会」を行っていますが、長崎から社長若しくは専務(筒井 豊氏)にご出席いただくよう心掛けています。つまり、「社長から従業員に至るまで、皆一緒」という雰囲気を作り、仕事に取り組むことが大切なのです。
だからこそ、本社からの出荷の指示があれば、深夜まで残業をするなど一致団結して意欲を見せてくれるのだと思います。
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付加価値を高めることが課題です。 |
~今後の中国での展開?戦略について、お聞かせください。
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新工場
この業界では、中国以外の競争相手として、インドネシアやタイが台頭しています。また、業界全体として設備過剰気味であることは否定できません。
今までは、コストダウンを図るだけでしたが、今後は「付加価値をいかに付けるか」が課題となります。そうした意味で、現在日本で行っている糸を中心とした原材料の開発を中国へシフトすることも考えられます。
私どもも、生産規模の拡大を睨んで、新工場(宝山区電台路そば)で稼動する予定です。現在の約3倍で、敷地700㎡、建物7,000㎡となりますが、将来の拡充に備えてより力を入れていきたいと思っています。
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