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玉葱などの輸入と共に、技術指導も行っています。 |
~中国での業務内容?活動内容についてお聞かせください。 |
????知人の紹介で、浙江省からの椎茸輸入を行ったのがきっかけです。 |
????現在は、腐れにくい『根菜類』~玉葱?人参?ゴボウ?レンコンなど~を中心に、 |
白葱?キャベツ?椎茸などの生鮮野菜と一部冷凍野菜の輸入も行っています。 |
????取り扱いの中心は玉葱です。南の福建省からスタートして、上海郊外 → 山東省 |
→ 遼寧省へと、中国の広大な国土を南から北へ生産地が移動する形で、年間を通じて |
供給体制を整えています。 |
????今年度の委託生産の面積は150ヘクタール(約45万坪)で、約6,000トン |
の輸出が可能と考えています。選別?包装のための選果機も、上海と山東省の2ヵ所に |
設置しています。 |
????日本国内(本社)では、柑橘類を中心にスイカ?メロン?ジャガイモ?レタス?ト |
マトなどの有機栽培農産物~生産者は約200名です~を全国の生協?スーパーなどへ |
販売を行っています。 |
早い通関など長崎のメリットもあります。 |
~長崎向け輸出についてのお考えをお聞かせください。 |
????長崎は、船便?航空便とも便数が少なく、横持運賃(長崎から東京?大阪などへの |
輸送コスト)がかかるため、コスト高となることは避けられません。加えて、当社にと |
っては、長崎が燻蒸設備が使えない点もマイナスです。燻蒸を行う必要が生じた場合、 |
福岡まで再度送ることになりますので更にコスト高となります。 |
????なにやら悪い点ばかり申し上げているようですが(笑)、長崎のメリットも十分あ |
ると考えています。例えば通関に要する日数では、他の地域が翌々日受け取りであるこ |
とに対し、長崎は当日受け取りが可能ですから、新鮮な農産物を早くお届けするという |
点では相当のメリットがあると言えます。 |
????将来的には、例えばスーパーテクノライナーのような高速船が就航して、運賃も航 |
空運賃とコンテナ運賃の中間位に設定され、燻蒸設備も利用できるようになることを期 |
待しています。 |
品質管理意識の違いがネックでした。 |
~こちらで活動されるにあたって苦労話がございましたら教えてください。 |
????良く言われることですが、まず、「品質管理」に対する意識が希薄です。 |
????これは、農産物に対する意識の相違が背景にあるからだと考えています。つまり、 |
中国では「食料」であり、食べることが可能ならば良し、とする考えであるように見受 |
けられます。これに対して日本では「商品」であり、五感で味わうものとして捉えら |
れ、見た目?大きさも重要視されています。 |
????また、「納期遵守」や「顧客の信頼を得る」といったことに対しても意識が希薄で |
す。 |
????例えば、こちらの指示?依頼事項がそのとおりに実行される保証はありません。 |
「はい、判りました」と返事があるものの、実行段階では中国側の価値判断で処理され |
てしまい、クレーム?返品等のトラブルが発生してから初めて、「次回から指示どおり |
に実行しましょう」となることも多々ありました。少なくとも、当初の2~3年は先行 |
投資という考えでビジネスを行う必要があります。 |
????これらの問題点は、第1次産業としての農業が、第2次?第3次産業と比べて遅れ |
た分野であり、必然的に意識の改革も遅れているところにあると思います。 |
????しかし、最近では上海を中心に徐々に意識が変わりつつあるように感じます。 |
高品質農産物の安定した生産基地を目指します。 |
~今後の中国での展開?戦略について、お聞かせください。 |
????日本の農家は高齢化が進んでいる一方で、今後も安定した農産物の供給を図る必要 |
があります。また、「モノを作る産業」の一つとして、人件費が安い方へ生産拠点が移 |
動するという流れは変わらないように感じます。ただ、一時的なものでは、お互いの信 |
頼関係を損ないますし、生産者にもダメージを与えます。したがって、あくまでも継 |
続、かつ安定した形を取ることが必要です。 |
????この上で、日本と中国との間で相互補完することが重要になってくると考えていま |
す。 |
????先程申しましたように、中国の農業は「品質向上」?「栽培管理」?「鮮度保持」 |
という点でまだ遅れていますので、引き続き指導を行う考えです。 |
????ここで、一つ付け加えさせていただきます。日本では「輸入農産物は農薬を大量に |
使用している」と言われていますが、実際、中国ではコスト高となるため農薬は余り使 |
用しません。 |
????人を使った方が安くすむからです。使用しているのはせいぜい日本の4分の1~3 |
分の1程度、といったところでしょうか。 |
橋渡し役として頑張ります。 |
~ここで、上海の朱総経理からメッセージをお願いします。 |
????当社の仕事に関わってから感じることですが、長崎は日本の中でも、素朴?正直と |
いった美点が多く残っているように思います。 |
????特に中国と長崎は距離的にも近く、友好意識も強いせいでしょうか。 |
????長崎とはさらに結び付きを深めたいと考えています。 |
????先程、生田社長が申しましたように、安定して安価で良いものを提供したいと考え |
ています。微力ですが、中国と日本の橋渡し役として頑張ります。 |
パートナーの選定が大切です。 |
~最後に、長崎で中国進出を考えていらっしゃる方々へ生田社長からメッセージを |
????やはり、信頼できるパートナーが見つかるか否か、が成否を大きく左右すると思い |
ます。中国は日本以上に人と人の結び付きが大切です。 |
????中国は、「広大な土地を有している」?「多くの人口を抱えている」?「人件費が |
安い」ことからも魅力的で巨大なマーケットです。その分、将来に対する可能性も大き |
いものがあります。仮に失敗しても、その原因を追求して、あくまでも可能性を追求す |
ることが大切だと思います。 |