【Ｑ】：中国で一部の日用消費財の輸入関税が引き下げられたとのことですが、これについて教えてください。
＜輸入＞＜関税＞＜消費税＞

【A】：税関総署は2015年6月1日、『一部日用消費財の輸入関税の調整に関する公告』（2015年第21号、中国語：《関于調整部分日用消費品進口関税的公告》）を公布し、一部の日用消費財の輸入関税を引き下げました。

1. 政策の背景
李克強首相は2015年4月28日の国務院常務会議において、国内消費者の需要が大きい一部の日用消費財の輸入関税を6月末までに試験的に引き下げる政策を打ち出しました。近年、中国旅行者が日本など海外を訪れ、日用品の買占めやぜいたく品の「爆買い」などで巨大な消費が海外に流出しているのが現状です。
中国商務省のリポートでは、中国の消費者による昨年1年間のぜいたく品消費額は世界市場の46％に相当し、うち、76％が海外の消費です。こうした状況を背景とした国務院の決定は、消費の流出を食い止め、内需の掘り起こしと国内経済活性化につなげる狙いがあります。
これを受けて、スキンケア用品の関税は従来暫定税率が5％でしたが、6月1日から2％に引き下げられ、紙おむつは従来の7.5％から2％に引き下げられることとなりました。日本で人気の温水洗浄便座や、香港での買い占めが社会問題化している粉ミルクは今回の対象に含まれていませんが、対象品目は今後拡大される可能性があります。
また、ぜいたく品などに課せられる消費税の税率引き下げの可能性も中国国内では報じられており、例えば化粧品の場合、現在30％の税率が課されていますが、このような市民が普通に使用する商品は将来、税率がゼロになる可能性があるとのことです。

2. 一部の日用消費財の関税率引き下げについて
税関総署の『一部日用消費財の輸入関税の調整に関する公告』により、一部の日用消費財の関税率が以下のとおり調整されることとなりました。

3. 消費税について
中国の消費税とは、特定のぜいたく品や環境負荷の高い商品の消費を抑制する目的で課せられる税目ですが、消費税の税率も中国国内の報道によれば、一部見直しされる可能性があるようです。現時点の消費税の対象品目及び税率は下記「2015-2016年最新消费税税目税率表」の通りです。

以上

出所：日刊華鐘通信2015年月8月7日
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