【Q】
中国では短期滞在者については、中国滞在期間の業務内容を「短期業務」と「非短期業務」に分け、前者については滞在日数にかかわらずZビザを、後者については日本人であれば、中国滞在日数が15日以内であればビザは不要と聞いています。短期業務と非短期業務の内容はとりあえず把握しているのですが、以下の点についてご教示いただけないでしょうか。
1. 以下の業務が短期業務に当てはまるのか、それとも非短期業務なのか。
【営業系】
・事前調査(新規):市場分析、未開拓地調査
・事前調査(既存):既存顧客の受注拡大を目的とした分析
・受注(内示前)支援:提案書作成、倉庫全体の作業設計
・立上支援:安定稼働までの立ち合い、現場スタッフ指導等
・改善支援:現場改善指導、新規受注活動の一環として行われる改善支援業務
【総務系】
・設立前業務(現地法人の設立前に係る業務)
・設立管理支援(新会社新設に伴う会社登記、人事採用面接など)
2. 仮に出張者の業務内容が「短期業務」に該当するためZビザ&居留証を取得したり、短期業務か非短期業務か判断がつかないため、Mビザを取得した場合、ビザを取得したことで日中租税条約の短期滞在者免税の適用はされなくなるでしょうか。
3. 仮に中国で出張者が個人所得税の課税対象になってしまった場合、申告時期は個人所得税の課税対象になった翌月15日までに納税かと思います。もしもこれを過ぎて、年明けに実施した場合に、何かペナルティは課されるでしょうか。
4. 出張者が日中租税条約の短期滞在者免税に該当する場合、免税適用のためには
・租税協定優遇備案報告表
・租税条約相手国の居住者であることの証明書
・税務機関が要求する書類
が必要となっていますが、現場では本当にこれらの書類の提出がなされているでしょうか。
またもしなされているとすると、具体的にいつのタイミングに提出になるでしょうか。
【A】
1.これらの業務は全て、お客様の会社の中国現地法人内での業務であると理解しておりますが、その場合、非短期業務となると解釈されてよいかと思います。ただし、査証の有無や種類と活動内容の適否を判断しますのは現地側出入境管理局となり、日本側での確認には限界があります。また地域により当局の厳しさも異なりますことから、確実な回答をとのことでしたら、現地側当局にて事前確認を行って頂くことをお勧め致します。
2.ビザ取得と短期滞在者免税規定の適用とは関係ありません。但し、出張の目的である支援業務プロジェクトがPE(恒久的施設)を構成するような場合で、中国税務当局からPE認定を受けた場合には短期滞在者免税規定の適用はできませんのでご留意ください。
3.延滞税が発生する可能性があります(1日あたり万分の5、年利18.25%)。但し、地域によっては年明けの個人所得税確定申告(日本の確定申告とは意味合いがことなりますが)時期に申告してもいいというようなところもあるようです。
4.規定上は必要なので本来は提出すべきなのでしょうが、実務上、短期滞在者免税規定の適用を受けるためにこれらの書類を提出している方はほぼいないと思われます。
以 上
出所:一般社団法人日中経済貿易センター上海事務所
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